かって 日本の政府高官が外国での会議の席 外務省の事務官が書類をフロシキに包んだり出したりしているのを見て, 西洋人たちが大変驚いたことがあります。
フロシキは 一枚の布切であり 二次元の「面」の存在です。
書類を入れて包めば 立体の三次元の カバンに変化するのです。
しかし 西洋では カバンは はじめから立体の三次元です。
つまり西洋人は ただのフロシキである 二次元の「布切」が三次元に変化したことに 驚いたのです。
折り紙も 一枚の紙が いろんな三次元の物体に 変化する。
衣服やインテリアなどにも 幅広く 利用されている。
このように 日本から世界へ 大きく 広がっています。
掛け軸や屏風
広げた二次元の掛け軸がくるくると巻けば 一次元の棒状に変化する。二次元が一次元に変化した。屏風も 4 枚とか6 枚に パタパタと折りたたみ 小形化する。
このような発想 西洋ではかつて まったく考えられなかったことです。 西洋人は これらの発想を絵画だけでなく 商品や工業・科学などに取り入れ それを又 逆輸入で 日本人が使っているという現状です。
それでもなお 日本人の素晴らしい発想を 奥に秘めていればこそ 先端技術や自動車・電気製品 ロボット・IC など 世界をリード出来るのだと思うのです。
現代美術絵画
今の現代美術絵画は 西洋から入ってきましたが これも又西洋人は日本の絵画から 多くを学んでいるのです。
西洋は かつて 一点透視図法でした。 一枚の二次元のキャンバスに 一つの景色 を表現することです。
日本は かつて 多くの視点をもつ画法でした。 たとえば 江戸期の屏風 洛中洛外図のように 金の雲(雲金という)を使って 金閣寺界隈・祇園・平安神宮・清水寺など 一つの景色ではなく一枚の屏風という二次元のキャンバスに 京都すべての景色 つまり多くのちがった空間を描いた。又逆遠近法も使っている。
西洋人はこれらの表現方法などを参考にして一枚のキャンバスの中に 一点透視図法でなく 2 つ以上の空間を巧みに描き 現代美術絵画として表現したのです。
モネ・マチス・ゴッホなども 浮世絵の影響を つよく 受けています。
岡本太郎が初めて パリーに留学して パリーの美術館で 光林のカキツバタ屏風に出会う。あまりの素晴らしさに驚き、こんな見事な芸術作品があったのかと彼の本の中で あつく語っています。
金箔を張り巡らした屏風に 青(紺) と緑青の岩絵の具 だけで 描かれた国宝屏風。
光林や宗達は 西洋では 大作家として 評価されています。
日本人の素晴らしさを 日本人が一番 気がついていない。